趣味に生きる

紫鯖で活動してい『た』、とあるランサーの日記。

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第六夜 Legend

小説っぽい読み物 2008/0327 Thu 16:58:49
第六夜!

物語としてはまだ序盤!

でも徐々に徐々に進めて行きたいと思います。

今回は、はっきり言ってしまうと

RS全然関係ない方向に!

いや、一部関係はあるんですが・・・

とりあえず、本編をお楽しみください m<_ _>m
ルティの後を追う。

長老に話しを聞いていた時から、何か様子がおかしかった。

理由は言うまでも無いだろうが、それにしては焦りが目立ちすぎる。

離れてから、まだそんなに時間は経っていない。

研究室へと急いだ。


研究室の前。

入り口の前に立ち尽くす、1人の女性がいた。

「ルティ、待てって!」

今にも入りそうな彼女を、呼び止める。

「・・・・・・・」

ルティは無言で俺を見た後

「・・・何?」

機嫌が悪そうに尋ねてきた。

「何? じゃないだろう、一体どうしたんだよ」

「別に、いつも通りよ」

その声は、いつもより幾分か冷たかった。

「これから話す人物が、まだ犯人と決まったわけじゃないだろ」

「・・・・・・・」

ルティがやや俯く。

「どうしてそうなのかは聞かない。だけど、もう少し落ち着け」

な? と、ルティに問いかける。

しばしの沈黙。

「・・・わかったわ、たしかに、ちょっと冷静さに欠けてた」

溜め息を一つついて、彼女はようやく落ち着きを取り戻した。

「全く、いつものルティらしくない・・・」

いつもならば、彼女はもう少し穏便に事を進ませる。

こうして俺から彼女に注意を促す、ということはまずありえない。

むしろ血気盛んに突撃する俺たちに、注意をすることのほうが多かったのである。

戦闘時はもちろん、それは日常でも変わらなかった。

「ごめんなさい・・・」

俯きながら、彼女は静かに言った。

「謝ることは無いって、ほら、行こう」

研究室に、歩き出す。

「アルタ」

不意に、ルティに呼び止められる。

「ん、どうかしたか」

彼女のほうへと、振り返る。

振り返った彼女は何か言いたげに、けれど口には出せないでいるように見えた。

「・・・やっぱり、なんでもない。行きましょう」

小さく頭を振って、彼女は歩き出した。

「そっか、なら行こう」

彼女と共に歩き出す。


室内には、壁に張り付いたかのように、ビッシリと本棚が埋め込まれていた。

そのどれもが、魔術に関連する本ばかりであった。

本と本に挟まれた通路を進む。

部外者が来ることが珍しいのか

人とすれ違うたびに、見られているような気がする。

やがて、1つの部屋の前で、歩みを止めた。

「ここだな、ノックするぞ?」

ルティが後ろで頷く。

コンコン

通路に、ドアを叩く音が響く。

「はい、鍵は開いていますので、どうぞ」

中から、男性の声がした。

「失礼します」

ドアを開けて、中に入る。

入り口から左手には、奥の壁まで本棚で埋め尽くされていた。

部屋の中央にはやや高さの低いテーブル。

奥には机が見受けられた。

テーブルを隔てて、入り口を見るかのように、椅子に座っている男性がいた。

年のころは25~26ほど。

遠めでも分かる、茶色の長い髪。

緑色の長いコートを羽織ったその姿は、知的さを窺わせる。

涼しさを感じさせるその顔は、熱血というよりはクールと言うほうがしっくり来る。

男性は俺とルティを見て、軽く会釈する。

「初めまして、ヴォルターさん、ですか?」

ヴォルターと呼ばれた青年は、静かに頷く。

「長老より話しは伺っています。悪魔についてお話が聞きたいとか」

先ほどの長老から既に連絡がいっていたようだ。

「あぁ、立たせたままで申し訳ない。そちらの椅子に、どうぞ」

彼の片方の手が、向かい側の椅子に向けられる。

誘導されるまま、腰をかけた。

「さて、何について話しましょうか。と言っても、私の答えられる範囲でですが」

「あなたのしている研究について、お聞かせ願いたいのですが」

単刀直入に、用件を切り出す。

言われて、青年は少々意外そうな顔をした。

「私の研究ですか?大したものではないですよ」

遠慮しがちだったものの、俺とルティの視線が真剣なものだったのか

「そうですね、私は今、とある悪魔の伝承を研究しています」

単に歴史の解明ですが、と彼は付け足して、研究内容を明かした。

「とある悪魔?」

鸚鵡返しに出た言葉に、青年は はい と答えた。

「何分、関連する書物が少ないものですから、ほとんど話しに出てきませんが―」

そう前置きして

青年はその悪魔に関する話を始めた。


それは、まだ地下界と地上界が、現代ほどはっきりと分かれていなかった時代。

地下界にいた悪魔たちは頻繁に地上に訪れ、悪事の限りを尽くしていた。

家々は焼き払われ、人々は殺され、大地は荒れ果てていった。

そこにあったのは、絶望。

人類の希望は、その時点で既に死んでいた。

それでも、人々は新たな希望を望んだ。

希望は古い希望と取って代わり形を成し、人々の間に浸透していった。

まるで、生きるために呼吸が必要であるかのように、人々は希望にすがった。

長い闘争の末、ようやく自分たちの暮らしを取り戻すことに、人々は成功した。

長きに渡る平和が、永遠に続くかのように思われた。

しかし、それを嘲笑うかのように、1匹の悪魔が到来した。

名前こそは伝承文献が古すぎ、解読が不可能なため一切が不明。

ただ、その力は人類を遥かに凌駕し

時には自然そのものを、自身の力に変えるほど強大であった。

人々は勇気を出し、悪魔に挑むもその全てが敗北。

人々が再び絶望に染まるのに、そう時間はかからなかった。

悪魔は強大な魔力を行使し、徐々に世界を支配していく。

まさに成す術が無く、滅びを待つだけだった王国に

ある日、1人の女性が訪れた。

王の前に跪くと、その女性は

「私が、かの魔王を討伐いたしましょう」

跪いたまま、彼女は言った。

その言葉が、どれだけその場に居合わせたものの信頼を得ただろうか。

王をはじめ、王の側近たちは、そろって嘆息せざるをえなかった。

今まで数多の豪傑たちが悪魔に挑み、そして敗れてきたのだ。

見るからに華奢な、それも1人の女に、何が出来ると言うのだ。

「そちには、何か勝算があるのか」

王が跪いたままの女性に、尋ねる。

その問いに対して

「はい」

はっきりと、女性は答えた。

「ほう、して、その勝算とは?」

王の問いに、先ほどまで凛々しかった女性の表情が曇る。

「ご無礼をお許しください、それだけは、言うことは出来ないのです」

女性は答えた。

言えないということは、勝算は特に無い。

そう周囲は捉えたのか、再び落胆の気配があたりを漂う。

王もそれで諦めがついたのか

「よかろう、汝の活躍に期待しておるぞ」

事務的に告げて、女性の道中を祈った。

こうして女性が旅立ってから数週間が経ったある日の夜。

悪魔が行動していたのは、いつも夜であった。

天にはいつも、血を思わせる紅い月。

満天の星空にあって、それだけが不自然にたゆたっていた。

紅い月に照らされた王国。

王国の入り口、城外、城内。

ありとあらゆる場所が、来襲に備え、多くの兵で守られていた。

ふと、悪魔の根城がある砂漠(後のアリアン東部)から、白い爆光。

その光が、世界中を染めた。

その光の中で

王と、王の側近たちは、かつて城を訪れていた女性を見た。

女性は見たことも無いものと剣を交え、対峙している。

一瞬で世界を染め上げた爆光であったが、それもすぐに収まる。

「今のは一体・・・」

王の側近たちはどよどよと各々の意見を話し合う。

不意に、王の身辺を護っていた兵が空を見上げた。

そこには

白く、雪を思わせる月が

煌々と輝いていた。

戦いは終わった。

誰もがそう理解した瞬間

王国は歓声に包まれた。

王と王の側近たちは、あの女性が帰ってくるのを待っていた。

しかし、何週と待てど、女性はついに帰ってこなかった。

痺れを切らした王様が、兵を迎えにやらせた。

しかし、返ってきた兵の長が報告したことは

彼女の姿が無かったことと、砂漠に突き立てられていた、1本の剣だけであった。

それを聞いた王は、女性が来たときの応対と言動を深く恥じ

その剣をその兵長に管理させ、以降、王国の繁栄に尽力したという。



「―以上が、文献の中にある伝承です。」

言って青年は一息ついた。

しばしの沈黙が、部屋を支配する。

「で、その後剣と女性の行方というのは」

沈黙を破ったのは、ルティだった。

「それらについては、文献内には見受けられませんでした」

「その剣も女性の行方も、恐らく誰も知り得なかった、ということでしょう」

青年が結論を告げる。

「そうですか・・・」

そこでルティの言葉は途切れた。

「その伝承を聞く限りだと、悪魔はその時消滅してしまったのでしょうか?」

ルティの質問が終わるのを見計らって、質問を出した。

「おそらく、この女性に倒されたのは間違いないと思います。ですが―」

「ですが?」

終わると思えた質問の答えには、続きがあった。

「最近の話しですが、その悪魔の血に連なる者がいると聞きました」

もしいたなら是非会ってみたいですね、と彼は言った。

その後、再びの沈黙。

机の上の時計に目をやると、既に時刻は夕刻に近かった。

「と、長々とありがとうございました」

「いえ、こちらこそ久々の来客で嬉しかったです」

互いに感謝の意を伝えて、部屋を出ようとする。



「あ、すいません。後少々よろしいでしょうか?」

不意に、呼び止められた。

「なんでしょうか?」

「いえ、ここスマグは研究の機材に関しては非常に恵まれているのですが」

「研究に必要な材料、とでも言いますか、それが少々不足していまして。」

申し訳なさそうに、青年は言った。

「ようするに、材料を取ってきて欲しいと?」

ルティが言った。

「いえ、取りに行く必要はありません。私が必要としているのは血ですから」

「・・・血、ですか?」

呆気に取られる。

「はい、何分冒険者自体あまりお目にかかれないものですから」

「彼らと一般人、それに自分たちの魔力を比較するサンプルが足りないのです」

「ですから、少々血を分けていただけ無いでしょうか?」

血を採らせるのは正直躊躇われたが、一方的に押しかけてきた手前

易々とは断れない。

「わかりました、俺の分の血を、少々採ってもかまいませんよ」

危険な洞窟などに行くわけではないのだ。

これぐらいは大丈夫だろう。

「アルタの血を採るのならば、私もかまいません」

ルティもどうやら、心情を察してくれたらしい。

「本当ですか? ありがとうございます」

パッと笑顔になって、ヴォルザーさんが言った。


しばらくして

採血が終わった後、ルティと共に部屋を後にした。

「で、どうだった?」

小さい四角のガーゼを針を通した箇所にあてがいながら、ルティに尋ねた。

「特に、怪しいところは無かったわ」

彼女もガーゼを腕に当てながら、溜め息混じりに答えた。

「そうか、これでふりだしだな」

「そうね・・・」

腕を押さえながら歩く2人。

「まぁ、気長にやるわ」

と、ルティは気持ちを切り替えたのか、そう言った。

「そっか、よし」

暗くなるかと思っていたが、明るかったのでそれでよしとした。

「なら、ローザさんのところへ行こう。今日は無理だから、明日あたり」

ローザさんに報告をするため、ルティに提案してみる。

「そうね、そうしましょう」

彼女は自分の案に同意した。

夕陽に染まる都市を、後にする。

帰り道

夕陽は仲良く並んで歩く2人の影を、大地に長々と描いていた。

余談であるが

宿に着いたとき、ルイはというと

「ちくしょう・・・」

居間のテーブルに突伏して、脱力しきっていたのであった。
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